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産学官民交流事業

2020.11.18 第433回東三河産学官交流サロン

第433回サロン 講師①

第433回サロン 講師②

1.日 時

2020年11月18日(水)18:00~20:30

2.場 所

ホテルアークリッシュ豊橋 5階 ザ・グレイス

3.講 師①

愛知工科大学 学長 安田 孝志 氏

 ◎テーマ

『三河中央と三河湾の新生「愛知工科大学」』

4.講 師②

国土交通省 中部地方整備局 三河港湾事務所長 山口 隼人 氏

 ◎テーマ

『三河港を核とした東三河の経済発展』

5.参加者

71名(オンライン参加 6名含む)

講演要旨①

どん底から這い上がり、夢は少し叶う:念願の「大学という土俵」に足が!
愛知工科大学は、第1~4期の退学率が16%に達し、2014年当時の予想入学者数は100名(定員225名)と想定される大変厳しい状況であった。原因は、高校生・保護者・高校教師の愛知工科大学への期待の低さであり、ここまで落ち込んだ信頼・人気を回復するには、全ての学生が教育目標に則して成長し、それを学生、親、出身校、採用企業の全てが実感できるようにしなければならなかった。それには「覚悟と根気と工夫」が不可欠であり、全教職員が「今は非常時」と認識し、「愛知工科大学に奇跡が起こった」と言われ、「選ばれる大学」となるため、火事場の馬鹿力で教育目標の達成に向けて最善の努力を行った。
教育目標は、選ばれ歓迎されるエンジニアを目指し『自立と夢の実現』とし、意欲(夢)と人間性(心)と能力(技)をバランス良く向上させる「AUT教育」を推進した。「AUT教育」は、「総合力」と「実践力」を土台に、技術が裏打ちされた「設計力」と「製作力」を備え、変化への臨機応変と『自立と夢の実現』を果たすエンジニアに学生を育て上げるプログラムであり、教育目標達成度評価はその4つの力の修得・向上について、学生自身による授業評価、教員による成績評価、インターンシップ先企業の評価に基づいて行っている。
技能を重視した実践的科目と、インターンシップによるOJT型実践的教育により、2019年度は志願者数に対する倍率が初めて3倍を超え、2020年度は6倍超となった。低倍率(3倍未満)から堂々の中倍率(3~8倍)となり、進研模試偏差値もボーダーフリーの39から46に上昇した。
就任以来9年、学長の役割を果たすことができ、東三河の発展に貢献できる準備が整った。これまでに学んだ最も重要なことは、「王道を往くことが結局は近道」ということであった。人間性を軸に4つの力を備えたモノづくり人材こそ、これからの日本が世界に誇り得る価値となり、そのような人材によって創られるモノこそ、世界から喜ばれ歓迎される商品となり、日本の富の源泉となる!
ここに、「AUT教育」の意義がある!

講演要旨②

●港の機能
貿易貨物の輸送方法は99.6%が船、0.4%が飛行機であり、大半は大量輸送に向いている船で行われている。特に我が国は天然資源に乏しく、主要な原材料・食料などを海外からの輸入に頼らざるを得ず、港の整備は欠かせない。港の経済波及効果は、市や県の総所得・雇用者数の2~4割、税収は3~4割に及ぶと試算されている。また、大型クルーズ船の寄港による経済効果は、乗客1人あたり少なくとも1万円/回、多い場合は14万円/回にも及ぶ。

●三河港の特徴と港湾施設の機能
三河港は、重要港湾に昇格した1964年より蒲郡地区や田原地区を中心に埋め立て事業が実施され、1970年~1974年には大規模な埋め立て工事が行われた。西浦・蒲郡・大塚・御津・神野・明海・田原の各地区はそれぞれに特徴を有し、約640事業所(雇用者約36,500人)が立地している。
三河港の取扱貨物量は年間2,353万トン(2018年)、貿易額は約3兆3,692億円(2019年)、自動車貿易台数は年間約115万台となっている。また、コンテナ貨物量は37,930TEU(2018年)となっており、中国・ベトナム、韓国と定期航路を持っている。その他、蒲郡地区におけるクルーズ船の寄港、自然エネルギーを活用した発電所の立地、伊勢湾・三河湾LNGバンカリング事業の推進、沿岸漁業の推進などの特徴がある。
港湾施設の機能としては、神野地区における耐震強化岸壁の整備とそれを活用した防災訓練の実施、蒲郡地区における大型クルーズ船の受け入れ環境の整備、神野地区における防波堤(北)の整備などがある。

●三河港の周辺環境の変化
名豊道路は三河港への自動車部品や完成車の物流を担っており、全線開通は輸送コストを約1割削減することが可能となり、物流効率化に貢献する。また、沿線には自動車・同附属品製造業に係る約780事業所が立地し、沿線の製造品出荷額等は整備開始前と比べ約12倍(約9.3兆円)に増加した。加えて、蒲郡バイパスの周辺地域では、工業団地の立地や土地区画整理事業等の地域開発が進展し、地域経済に好循環をもたらしている。

●三河港の抱える課題
港湾用地の不足(横持ち移動の発生)、防災機能の不足(緊急物資輸送の人口カバーの未達成)、分散した貨物荷役(物流コストの増加)、にぎわいエリアの不足(商機の逸失)、港湾施設の老朽化(事後対応による補修費増大)、ドライバー不足(モーダルシフト網の未構築)などがある。

第433回サロン 副会長

第433回サロン 会場①

第433回サロン 会場②