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産学官民交流事業

2021.12.03 第218回東三河午さん交流会

1.日 時

2021年12月3日(金)11:30~13:00

2.場 所

ホテルアークリッシュ豊橋 5階 ザ・グレイス

3.講 師

蒲郡商工会議所 会頭 小池 高弘 氏

 ◎テーマ

『~海が語る、まちが語り掛ける~蒲郡ベンチアートプロジェクト』

4.参加者

50名

講演要旨

「蒲郡ベンチアートプロジェクト」は、2019年の秋、トヨタグループの研修所「KIZUNA」で東三河広域経済連合の会合を行った際、館長から豊田喜一郎さんが自動車産業に参入され苦労を重ねておられた頃、蒲郡の海岸で釣り糸を垂らしながら様々なことを考えていたということをお聞きし、“眺めの良いところにベンチを置いて、豊田喜一郎氏の銅像を建ててはどうか”との発想から始まった。蒲郡は三河湾国定公園に指定され、海の眺めが非常に良いことから、「この景色をもう一度蒲郡の生活の豊かさの象徴にしたい」との想いから、ベンチ×アート×海辺のインスタレーションとして「蒲郡ベンチアートプロジェクト」を立ち上げた。
コンセプトは「素敵な眺めの中で、豊かさを感じて欲しい~生活の一部として、今までにないコンセプトの場所づくりを~」である。コロナ禍で一番感じたことは、精神的な豊かさを求めている人たちが多くなってきたことである。海は、精神の自由を醸し出してくれる。蒲郡は、東西30~40㎞の長い海岸がある。ラグーナテンボス、竹島など、各施設が海辺で繋がっている。ここにベンチを置き、蒲郡で過ごすことで得られる“心の豊かさ”、魅力的な蒲郡で暮らせる“生活の豊かさ”を感じていただきたいと考えている。
長期(10年)に亘りプロジェクトを継続することにより、①蒲郡の海辺のインスタレーションを点在させ、市民や来豊者も含め生活の一部となること、②プロジェクトに関わる人を増やし、将来、“まちづくり団体”へと成長させることを目指している。蒲郡商工会議所、蒲郡シティセールスプロジェクトを中心に「蒲郡ベンチアートプロジェクト委員会」を設立し、7月14日よりWEBサイト公開、設置場所・サポーター募集を開始し、11月16日にベンチアート第1基目の除幕式・贈呈式を行うに至った。今年度中にあと5つのベンチアートの設置を予定している。
PR活動としては、WEBサイトとSNS(Facebook、Instagram)を活用している。「いいね」を押していただければ情報が流れるので、是非ご覧いただきたい。また、プロジェクトを応援してくださるサポーターの皆さまや設置場所の募集も行っているので、お気軽にご応募・ご登録いただきたい。
ベンチアート第1基目は、『001「夕」』(タイルデザイン:安藤 昇、デザイン・設計:itoto architects)である。蒲郡ライオンズクラブ創立60周年記念事業として寄贈された。竹島をのぞむ国定公園に設置され、タケシマの「タ」の点の下が土に埋まっているデザインである。竹島は蒲郡のシンボルである。橋は370mあり、亜熱帯の植生であることから、島全体が天然記念物となっている。以前、島全体を「ライトアップ」するという計画もあったが、文化庁からストップがかかり実現していない。また、管轄者が異なることから、竹島周辺の海辺の施設の連携が取れていないことも課題である。共感のプラットフォームとして、海辺のインスタレーション空間づくりには、作家の意図(場所・背景)、スポンサーの意図(想い)、人々の想い(場所・作品)があり、いろんなカタチで皆さまにわかるようにしていきたい。答えはひとつではない。
蒲郡市には、蒲郡市観光ビジョン推進委員会(観光を切り口にまちづくりを行う会議体)がある。現在、「おもてなしコンシュルジュクラブ」を作って蒲郡の情報発信を行っているが、今般、観光ビジョンの改訂を行った。蒲郡商工会議所や蒲郡市観光協会は、旅行で蒲郡を訪れる人を「消費者」と見ている。蒲郡の人たちが作ったベンチを外部の人たちが楽しむ、これも立派な観光交流である。まちづくりのプロジェクトマネジメント組織(まちづくりカンパニー)と観光産業育成を担う団体(蒲郡市観光協会)の協働による連携事業で、蒲郡市観光まちづくりビジョンを推進していく。
「Mikawa de遊び100~あいちde体験2021~」を行っている。この遊びの共通のプラットフォームに三河地域の各団体・企業が乗っかれば、いろんな宣伝が出来る。将来的には予約から課金までができるプラットフォームが出来るプログラムになると良い。蒲郡の観光産業は特筆するほど大きくはないが、外から人を呼んで中でマーケットをつくる産業、またまちづくりとしての観光として捉えていきたい。蒲郡は東三河の一員であるが、海があり、観光でリーダーシップを取っていくのと同時に、西三河との懸け橋となり得るポジションにある。蒲郡の進むべき道は、東西三河の情報インデックスを整えることではないかと思う。
最近、企業の健康経営優良法人認定制度により、健康宣言と同時に、その取り組みが増えている。蒲郡商工会議所は当初、「ヘルスケア産業の創出」という目標を掲げてきたが、働き方改革など企業の在り方の中で従業員の健康を企業の課題として取り組むという動きが出て来た。就職が良くなった、インセンティブなどがあったが、最近では企業の永続性に必要。健康経営の優良法人の認定をとろうという動きが活発になってきた。健康経営の動きは、従業員や企業にとってもメリットがあり、東三河そのような企業が増えれば、観光をはじめとする新しいビジネスの展開に繋がるのではないか。
人は誰でも幸せになりたい。そういうきっかけを作ってくれるまち、後で思い返して自分の宝物になるまち、蒲郡がそんな町であったらいいのかなと思う。