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産学官民交流事業

2022.09.02 第225回東三河午さん交流会

1.日 時

2022年9月2日(金)11:30~13:00

2.場 所

ホテルアークリッシュ豊橋 4階 ザ・テラスルーム

3.講 師

株式会社フェニックス 代表取締役社長 牛尾 信介 氏

  テーマ

「地元スポーツの構造やスポーツビジネス論」

4.参加者

38名

講演要旨

 私は徳島県出身。高校野球で有名な池田高校を出て、武蔵工業大学に進み、アメリカンフットボールに出会い、スポーツ&トレーニングにハマった。パーソナルトレーナーを目指したが儲からず、大手IT運用会社、大手通信商社に入り、その時の繋がりで現在Bリーグ・チェアマンの島田氏が社長を務めていた「千葉ジェッツふなばし」に入社した。
 スポーツとは、「運動×ゲーム」。ゲームとは、ルールに則って競争する「真剣な遊び」である。楽しいからこそスポーツである。真剣なので苦しみや困難があり、その先に真の楽しさがある。世界と日本の「差」。世界は小さい頃からゲームとしてスポーツがあるが、日本は体育(教育)から始まっているのでなかなか改革が進まない。ここに、世界との差が生まれている。ジェッツ時代、スポーツマンシップについて学んだ。スポーツマンとは、日本では「運動競技選手」と捉えられているが、世界では「良き仲間、他人から信頼される人」である。相手は敵ではなく、相手がいるからスポーツが成立する。それを理解してやっていかなければならない。私は営業も会社も全てにおいて「スポーツマンであれ!」と常々言っている。
 スポンサーの5大要素とは、①企業ブランディング、②社会・地域貢献、③インナーマーケティング、④R&D、新規商品、サービス開発、⑤セールスマーケティング、である。目的に優先順位をつけ、メリハリをつけることで企業イメージ・ブランディングの定着にも繋がり、効果が高い。しかし、日本ではこれがなかなか出来ていない。私共はこの5大要素を社長さんと確認し合い、共に価値を共有するため若者が見やすいYou TubeやSNSを利用した企業PRを提案するなど、結果に結びつけている。
 「地方創生・まちづくり」として掲げていることは、スポーツで地域を活性化することで地域の存在価値を上げ、結果、地域が元気になる。地域にクラブ/アリーナが存在することで、防災の観点、にぎわいの創出、税収増、健康、住民間の繋がり、雇用、治安、地域のブランド力、地域への愛着などの好循環が生まれる。また、社会的価値としてのブランドの向上や地域のイベント活動、経済的価値としてのスポンサー収入や興行を最大限に活用しなければいけないこれまでとは違ったステージとなる。
 スポーツを「産業」として捉える。私はここに地方として「スポーツ×観光」が必要だと思っている。アウェイの方が地方に来るためにはお金がかかる。ホテルや飲食業など観光に力を入れ、アウェイの方に来ていただくことでまちを盛り上げていく必要がある。
三遠フェニックスは、B1リーグ(24クラブ)に所属している。バスケットボールの競技人口は4.5億人で、世界で一番大きいスポーツである。Bリーグはコロナ前、250万人が観戦し、平均年齢は35歳である。バスケットボールは、今後可能性のあるスポーツである。Bリーグが目指す姿は、クラブが経営力を強化する仕組みとして2026年にリーグ構造改革を行い、NBAに次ぐ世界第2位を目指している。新B1リーグのライセンス基準は、平均入場者4,000人、売上12億円以上など厳しい基準があり、プレミア構想に入れないクラブが出てくる可能性もある。
 新・三遠フェニックスは、「新」「心」「進」を「しん」と読んで、昨年スローガンとして掲げた。今年は、数字で「26-27」(プレミア構想を目指すこと)、「4,000」(平均入場者数)、2(全国からの移動時間)を掲げている。フェニックスには「真なる改革」が必要である。昨年は22クラブ中、10勝48敗で最下位。ホスピタリティも全くなかった。世界のスポーツの中で音楽を流しながらプレイできるのはバスケットボールだけである。例えば、音楽に関してフロントと選手がコミュニケーションを取ることでチームの勝敗にかかわることができる。その他、ブースタークラブ創設、入場者数の増加策検討、若者の集客率アップのためのtiktokやYou Tubeとのコラボなどを考えている。
 「1048」改革のため、「理念」「行動」をビジュアル化し、「歴史」を再確認し、地方クラブの分析を行った。三遠ネオフェニックスが目指すことは、①新B1プレミアリーグへの参戦、②地域+子どもたちのクラブであるべき、③夢のアリーナへの挑戦、④世界の「SAN-EN」へ、そして、世界から「SAN-EN」にである。改革には最大のインパクトが必要であり、世界へ挑戦するために秦GM、そして、最多勝利数の大野ヘッドコーチを含む、王者・千葉から9名のコーチ陣を招聘した。その結果、金丸晃輔氏など日本代表選手を獲得すること出来た。勝てるチームへの3本柱として、「強化」「共育」「地域」を掲げる。これは、クラブの価値を高めるために欠かせない機軸である。「強化」は国内トップのHC、選手、データに基づく選手の活用システム。この三位一体の強化で勝てるドリームチームをつくること、「地域」はPHOENIX HOPE、PHOENIX meet(SDGsの取組)、カゲながらプロジェクトなどホームタウン活動や新アリーナ計画を通して地元の笑顔創出に貢献すること、「共育」は三遠地域の高校・専門・大学等の教育機関と連携。NBAを目指す優秀な学生を全国から集めることができるバスケ専用(選手+コーチ)のカリキュラムを構築することである。
 真なる改革としては「応援」が必要なので、是非、ご支援をお願いします。スポンサーシップの目的として5大要素があるが、天吊りの排除、動線の変更、大型スクリーンの導入、選手入場時間の変更など、様々な企画を考えている。今、選手は全力で頑張っている。是非、ご期待いただきたい。